先日、角川ソフィア文庫より『道元「赴粥飯法」』が刊行されました。
『赴粥飯法』とは、道元禅師(1200〜1253)が食事作法について書かれた書物です。
応量器と呼ばれる黒い食器を使ってきめ細やかな作法に沿って行われる食事を、単にお腹を満たす行為としてではなく、仏道修行として捉える本書は、道元禅師ならではの内容となっております。
今でも大本山永平寺といった曹洞宗の修行道場では、実際にこの『赴粥飯法』に準じた食事作法が継承され、実践がなされています。
基本的には僧侶の食事作法であるため、一見すると一般の方にはなじみづらいと思われるかもしれません。
ですが、目の前の食事を丁寧にいただくその精神性は、昨今つい「ながら食べ」をしてしまいがちな現代人にとって重要な視座を与えてくれるものと確信しております。
実は今回ご縁があって、私が勤めている曹洞宗総合研究センターにて関わることになり、私も一部執筆を担当させていただきました。
『赴粥飯法』の全文と現代語訳だけでなく、『赴粥飯法』自体の解説やインド・中国仏教における食事情、道元禅師の略歴など、とても濃い内容となっております。
また、「ビギナーズ」というジャンルであるため、学術書というよりも初学者向けの内容になっており、様々な写真も豊富に挟んでおります。
是非、ご興味ある方は書店等でお手にとってお求めいただければ幸いです。
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